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2022年7月 第9回メール句会

俳句の会  夏  作品ギャラリー

          ・実施日:2022年7月(メール投句締切:7月20日)
          ・参加者:13名(選者含む)
(参加/敬称略)   伊豆・伊藤・葛山・工藤・小・鈴木(芳)・鈴木(黎)・瀬
 田中・宮之原・依田 
(指 導)   深津先生・城下先生

 
 ◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。



  バケツに水張つて線香花火かな   伊豆康夫
  豪快に笑ふ観劇月見草    伊藤美智子
  一村を丸洗ひして虹の橋   葛山由博
  ハマナスの無言で帰船ウトロ港   工藤道夫
  背伸びして見上ぐる子らの遠花火   小秀則
  姿見に妣の面影竹の花   鈴木黎子
  遠花火エンドロールのやうに消ゆ    瀬俊次
  スクラムに荒ぶる猛者の汗しぶく   田中達也
  我がいのち動的平衡夏笑ふ   中前行雄
  オムレツにパセリの二つ朝のジャズ   宮之原隆雄
    押し黙る線香花火の消えるまで   依田美弥子



◇高点句
    今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
    得点3点以上(選んだ人が3人以上)の句は以下のとおりです。
 



 <8点句> 
  一村を丸洗ひして虹の橋   葛山由博
 <5点句>  
  押し黙る線香花火の消えるまで   依田美弥子
 <4点句>  
  遠花火エンドロールのやうに消ゆ   瀬俊次
  オムレツにパセリの二つ朝のジャズ   宮之原隆雄
  炊立ての飯揚げ立ての鯵フライ   瀬俊次
  田草取空の重さに背伸びせり   宮之原隆雄
  一夜酒老いて初めて知ることも   田中達也
  白南風や潮の香の濃き耶蘇の村   瀬俊次
 <3点句> 
  風鈴や誰が魂の戯るる   城下洋二
  万緑の圧力を統べ富士聳ゆ   瀬俊次
  ひまわりやかくれんぼする足が見え   依田美弥子



 ◇作者は語る
  句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。

 
   
    遠花火エンドロールのやうに消ゆ 瀬俊次
花火が揚がる前のワクワク感。揚がった時の光、空中で変化する色と形、頭上に響き渡る音が渾然一体となって身中から湧き上がる昂奮。そして花火が消えてゆくときの余韻と一抹の寂しさ・・・。
何だか人生の一面を見るような感慨があります。
我が家の2階からわずかに見える江ノ島の花火を見つつ、想像をふくらませてできた一句です。

    白南風や潮の香の濃き耶蘇の村 瀬俊次
ふるさと長崎の外海(そとめ)地区にはキリスト教の教会が三つありますが、そのいずれからも海が見えます。遠藤周作の小説『沈黙』の舞台となったこの地から見る、五島灘へ落ちる夕陽の美しさは筆舌に尽くし難い。ほぼ毎年帰省しているのですが、年を経るごとにふるさとへの思いは募るばかり。そんなふるさとの思い出に浸りながら作った一句です。












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 <2022/08/10:文責:瀬:HP編集:後藤>