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2021年12月 第7回メール句会

俳句の会  冬  作品ギャラリー

          ・実施日:2021年12月(メール投句締切:12月4日)
          ・参加者:16名(選者含む)
(参加/敬称略)   伊豆・伊藤・葛山・加茂・工藤・小・菅原・鈴木(芳)・鈴木(黎)
 瀬・田中・中前・宮之原・依田 
(指 導)   深津先生・城下先生





 ◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。


  鳥啼けば鳥啼き返す小春の日   伊豆康夫
  讃美歌の聞こゆる窓辺シクラメン     伊藤美智子
  バーボンをバッグに入れて神の旅   葛山由博
  養護ホームの母を訪ふ三日かな   加茂好朗
  寒月に胴上げ花火日本一   工藤道夫
  新海苔や約しき朝に炙りけり   小秀則
  地の影を抜けて冴え月顔を出し   菅原満雄
  こがらしが数珠珊瑚の実ほろほろり   鈴木芳江
  山茶花を散らして遊ぶ雀かな   鈴木黎子
  柴犬に半値の値札年つまる    瀬俊次
  燗熱し修羅を潜りし者二人   田中達也
  落葉積む散りて守りぬ次世代を   中前行雄
  暮早し航空障害灯赤し   宮之原隆雄
    裸木や一番星が近く見え   依田美弥子


◇高点句
    今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
   今回は秀句が多く、得点3点以上(選んだ人が3人以上)の句を掲載します。



 <9点句> 
  顔見えぬ句座重ねきて年暮るる     深津健司
 <6点句>  
  極月の人の流れに加はりぬ   城下洋二
 <4点句>  
  暮早し航空障害灯赤し   宮之原隆雄
  一葉の低き文机隙間風   深津健司
  掛け声の駆け抜けてゆく冬田道   瀬俊次
  鳥啼けば鳥啼き返す小春の日   伊豆康夫
  山茶花を散らして遊ぶ雀かな   鈴木黎子
 <3点句> 
  地の影を抜けて冴え月顔を出し   菅原満雄
  淡き陽に淡く香れる返り花   鈴木黎子
  駅前の落葉飛び込む古書肆かな   宮之原隆雄
  枯菊を焚くゆつくりと火を育て   深津健司
  ひとことのありがたうこそわが賞与   瀬俊次
  人はいつか子どもに還る冬の虹     伊豆康夫


 ◇作者は語る
  句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。

 
     鳥啼けば鳥啼き返す小春の日 伊豆康夫
 ウォーキングを日課としていますが、その際、常時句帳を携行します。
いわゆる一人吟行です。掲句は、その一人吟行の折、地元では「烏山の鴨池」
としてよく知られるお寺に立ち寄った際、詠んだ句です。
 その日は、久しぶりに「鴨池」に出かけたのですが、飛びきりの快晴でした
ので、鳥たちもきっと機嫌が良かったのでしょう、池を挟んでクリアーな鳴き
声を交わす情景が強く印象に残りました。
 その後、推敲の過程では、いつものように迷いの森を文字通りさ迷うことに
なりましたが、最終的には、鳥の鳴き声に焦点を絞ったことで、何とか恰好が
ついたような次第です。





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 <2021/12/18:文責:瀬:HP編集:後藤>