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2021年9月 第6回メール句会

俳句の会  秋  作品ギャラリー

          ・実施日:2021年9月(メール投句締切:9月26日)
          ・参加者:16名(選者含む)
(参加/敬称略)   伊豆・伊藤・葛山・加茂・工藤・小・菅原・鈴木(芳)・鈴木(黎)
 瀬・田中・中前・宮之原・依田 
(指 導)   深津先生・城下先生






 ◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。



  稜線の尖る連山蛇笏の忌   伊豆康夫
  秋の水せっせと魚捌きけり    伊藤美智子
  豊の秋厨に湯気の揺蕩ひて   葛山由博
  夕日浴びる柿の古木に実のひとつ   加茂好朗
  秋の蝉ゴロリ大の字天仰ぐ   工藤道夫
  可惜夜の月に掛かるやおぼろ雲   小秀則
  名月をこのヴェランダで十五年   菅原満雄
  紅葉して桜は風とシンフォニー   鈴木芳江
  秋彼岸リモート読経に畏みぬ   鈴木黎子
  身に入むや母の句帳に吾を詠む句    瀬俊次
  差し向かいアクリル越しの今年酒   田中達也
  虫の夜のしぐるる声や子守り歌   中前行雄
  糸瓜棚声と風呼ぶ勝手口   宮之原隆雄
    名月や猫は夜間のパトロール   依田美弥子



◇高点句
    今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
   今回は秀句が多く、得点2点以上(選んだ人が2人以上)の句を掲載します。



 <6点句> 
  つまべにや投込寺のありし土手     深津健司
  身に入むや母の句帳に吾を詠む句   瀬俊次
 <5点句>  
  名月をこのヴェランダで十五年    菅原満雄
 <4点句>  
  豊の秋厨に湯気の揺蕩ひて   葛山由博
  爽籟や河原に響くラッパの音   伊豆康夫
  柔らかき影ひるがへし秋の蝶   城下洋二
  さう言へば蜩鳴かぬきのふけふ   伊豆康夫
 <3点句> 
  稜線の尖る連山蛇笏の忌    伊豆康夫
  小茄子漬三日目朝の青々し   鈴木芳江
  可惜夜の月に掛かるやおぼろ雲   小秀則
  跨線橋遠回りする良夜かな   小秀則
  秋の蝉ゴロリ大の字天仰ぐ   工藤道夫
 <2点句> 
  糸瓜棚声と風呼ぶ勝手口     宮之原隆雄
  かはたれの朝顔たそがれの酔芙蓉   深津健司
  読み返すべく本選ぶ九月かな   城下洋二
  押して押して押して金星九月場所   瀬俊次
  縁者問ふ墓地の標や昼ちちろ   宮之原隆雄
  天へ向け千の発信曼珠沙華   鈴木芳江
  客足の絶えぬ団子屋秋うらら   瀬俊次
  涼新たカレーライスと珈琲と   葛山由博
  声かけて皆で見てゐる今日の月   城下洋二



 ◇作者は語る
  句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。

 
     名月をこのヴェランダで十五年 菅原満雄
現役のころ、転勤でこの団地の別の棟に五年間住みました。 その後も転勤などがあり、退職後の生活にこの団地を選びました。 目の前には釣りができる小川があり、天気が良いと遠く男体山・浅間山が見えます。  十二階のヴェランダからはいつも月を見ることができ、今年は中秋の名月が満月と重なるらしく、期待して見上げてはいたものの雲が多すぎてきれいには見えませんでした。
ふと、「ここに住んで何年?あ・十五年も・・・」 こんな思いが十七文字になりました。





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 <2021/10/18:文責:瀬:HP編集:後藤>