2020年度 第4回メール句会
俳句の会 2月 作品ギャラリー
・実施日:2021年 2月(メール投句締切:2月21日) |
・参加者:15名(選者含む) |
(参加/敬称略) |
伊豆・伊藤・葛山・加茂・工藤・小・鈴木(芳)・鈴木(黎)・瀬
田中・中前・宮之原・依田 |
(指導) |
深津先生・城下先生 |
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◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。 |
バス停の寒気無言のディスタンス |
伊豆康夫 |
会えずとも施設の友へ梅だより |
伊藤美智子 |
酒蔵の蛇の目のお猪口冴返る |
葛山由博 |
静かなる出雲の郷は雪の花 |
加茂好朗 |
畑中の土香気立つ雨水かな |
工藤道夫 |
未黒野の一雨ごとの若芽かな |
小秀則 |
鬼やらひか細き声も年女 |
鈴木芳江 |
大甕に万蕾の梅ひとかかへ |
鈴木黎子 |
鳥帰るオラショ唱ふる島を越え |
瀬俊次 |
シリウスやチックコリアの宙に逝く |
田中達也 |
草に臥て春の陽光空を食む |
中前行雄 |
撒き広げる手箕の堆肥や暖かし |
宮之原隆雄 |
あたたかや乳母車から手を出して |
依田美弥子 |
◇高点句
今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
得点3点以上(選んだ人が3人以上)の句は以下のとおりです。 |
<5点句> |
あたたかや乳母車から手を出して |
依田美弥子 |
鳥帰るオラショ唱ふる島を越え |
瀬俊次 |
のどけしやはたきもかけぬ荒物屋 |
瀬俊次 |
<4点句> |
深マスク目力つよき女の子 |
伊豆康夫 |
<3点句> |
畑中の土香気立つ雨水かな |
工藤道夫 |
静かなる出雲の郷は雪の花 |
加茂好朗 |
町医者の待合室は着ぶくれて |
加茂好朗 |
大甕に万蕾の梅ひとかかへ |
鈴木黎子 |
未黒野の一雨ごとの若芽かな |
小秀則 |
◇作者は語る
句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。 |
未黒野の一雨ごとの若芽かな |
小秀則 |
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今回の第4回メール句会にあたり、当季雑詠の句がなかなか思い当たらず
ひょんな事から「末黒野」の季語を知りました。
初めて聞いた季語だったので歳時記を開いたところ、非常に春らしい季語だったので気に入り作句しようと思いました。状況は、春の山焼きの後の真っ黒な焼け跡に、石灰岩の残った岩が羊に見えた様子が浮かび、 最初は「末黒野の残る大地に岩羊」としましたが、何となくなじまず同季語で5〜6作句し再考を重ね、ようやく「末黒野の一雨ごとの若芽かな」で落ち着きました。
毎回、句会で悪戦苦闘しますが、何とか続けて行けたら良いなと思っています。
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