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2020年度 第2回メール句会

俳句の会  夏  作品ギャラリー

        ・実施日:2020年7月(メール投句締切:7月20日)
        ・参加者:16名(選者含む)
(参加/敬称略)   伊豆・伊藤・葛山・加茂・工藤・小・鈴木(芳)・鈴木(黎)・瀬
 田中・中前・ぶんさく・宮之原・依田 
(指導)   城下先生・深津先生 





 ◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。



  杖を突く人に片陰譲らるる   伊豆康夫
  薄墨の半島聳ゆ梅雨の海    伊藤美智子
  露涼し閉じた寺門の黒鉄扉   葛山由博
  十四キロ奥入瀬飾る山若葉   加茂好朗
  給付金せめて鰻重腹収め   工藤道夫
  離した手弄りつなぐ木下闇   小秀則
  時ならぬマスクの波に夏日差   鈴木芳江
  夏服で臨む入学式愛し   鈴木黎子
  地図になき暗渠の上の蟻の道    瀬俊次
  花は葉に移ろい決意の墓じまい   田中達也
  雨が降る雨にうつくし万緑や    中前行雄
  姥捨の棚田の月や半夏生   ぶんさく
  母の忌やこきと首振る扇風機   宮之原隆雄
    梅雨寒し線香の灰掃除する   依田美弥子



◇高点句
    今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
    得点3点以上(選んだ人が3人以上)の句は以下のとおりです。
 



 <6点句> 
  母の忌やこきと首振る扇風機     宮之原隆雄
 <5点句>  
  蟻の列蝶の旗もち行進す    城下洋二
  語り部のまた一人逝き八月来   深津健司
  薄墨の半島聳ゆ梅雨の海   伊藤美智子
 <4点句>   
  沖南風をただ受け止むる天主堂   瀬俊次
 <3点句> 
  蟻の道羅馬遠しとおもひけり    深津健司
  蟻を追ふ幼な児科学のまなざし   中前行雄
  地図になき暗渠の上の蟻の道   瀬俊次
  姥捨の棚田の月や半夏生   ぶんさく
  夏服で臨む入学式愛し   鈴木黎子
  妻の座で冷素麺を一人食ぶ     ぶんさく
  杖を突く人に片陰譲らるる     伊豆康夫
  せはしなき扇子の男帰りけり     城下洋二
  休園のディズニーランド蝉しぐれ     田中達也



 ◇作者は語る
  句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。

 
     母の忌やこきと首振る扇風機 宮之原隆雄
母の一周忌を実家で迎えた時のことです。その日はむし暑くて、遺影の横の扇風機が廻っていました。生前、母が長く使用していた扇風機の首振る音は、なぜか母が頷いているように感じ、また満足しているように思えました。







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 <2020/08/10:文責:瀬:HP編集:後藤>