今回の句会でも選者のお二人には、以下のようなコメントや質問に対する回答をいただきました。
○ 俳句は韻文であり調べが大事。調べをととのえるにはリフレインや濁音を使わず清音だけで作るなど、さまざまな
方法がある一句の中に口語体、文語体が入り混じることは避けなければならない。
○ 添削の入った句は誰のものか → 原作者が添削を受け入れたらその句は原作者のもの。
○ 著名人の忌日(についている名称)は季語になり得るか → 著名人の忌日で季語として定着しているものもある
(筆者注:芭蕉の忌日=時雨忌、太宰治の忌日=桜桃忌など)が、現状単独で季語として定着しているものは多く
ない。忌日に限らず、新しい言葉が季語として定着するには、その言葉を使った句が数多く作られるなど、それなり
の時間を要する。また多くの人が認める「名句」の出現により一気に季語として定着した例としては、
「万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男」の「万緑」がある。
といった専門的な話も大変分かりやすくお話しいただきました。
また参加者の要望として「選者の先生が『もう一歩』と思う句について、ここ をこう直せば良い句になるという例を
示してほしい」という切実な声がありましたが、これは次回以降のお楽しみということに。
この後場所を移した懇親会の席でも、充実した句会の余韻をそのままに俳句談義が続きました。
世話人 高瀬俊次(記)
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