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2022年12月 第10回メール句会

俳句の会  冬 作品ギャラリー

          ・実施日:2022年12月(メール投句締切:12月3日)
          ・参加者:15名(選者含む)
(参加/敬称略)   伊豆・伊藤・葛山・工藤・小・菅原・鈴木(芳)・鈴木(黎)・瀬
 田中・中前・宮之原・依田 
(指 導)   深津先生・城下先生



 

 ◇句会参加者“今日の1句”
句会参加者が自分の投句した句の中から選んだ“私の今日のイチオシの1句”です。



  ひとしきり窓打つ音や小夜時雨   伊豆康夫
  時雨止みたちまち星の出づる駅    伊藤美智子
  境内に猿の群れ来る神の留守   葛山由博
  ストーブで顔赤らめしのり弁当   工藤道夫
  今更に斃れしレノン開戦日    小秀則
  さざ波は小魚の群れ冬めける   菅原満雄
  教会にバッハの響く十二月   鈴木芳江
  電飾の並木の果てに寒昴   鈴木黎子
  氾濫の痕残る川水涸るる    瀬俊次
  噛み跡の残りたるまま膝毛布   田中達也
  お気に入り喜寿の日常ちゃんちゃんこ   中前行雄
  朔風や葉は裏返り裏返り   宮之原隆雄
    冬の朝帰らぬ猫の皿洗ふ   依田美弥子



◇高点句
    今回、句会参加者はそれぞれが良いと思った句を5句ずつ選びました。
    得点3点以上(選んだ人が3人以上)の句は以下のとおりです。
 



 <7点句> 
  電飾の並木の果てに寒昴   鈴木黎子
 <5点句>  
  朔風や葉は裏返り裏返り   宮之原隆雄
  境内に猿の群れ来る神の留守   葛山由博
 <3点句>  
  ほほづきの灯ともすやうに透けにけり   深津健司
  冬の朝帰らぬ猫の皿洗ふ   依田美弥子
  冬ぬくし登り納めの高尾山   伊豆康夫
  時雨止みたちまち星の出づる駅   伊藤美智子
  清方の美登利を壁に一葉忌   深津健司
  境内の氏子揃つて藁仕事   依田美弥子
  ノーサイド肩組む猛者の息白し   田中達也
  冬桜しづかにものを考へる   城下洋二
  艶やかに身を焼き尽くし舞う落ち葉   田中達也



 ◇作者は語る
  句会参加者が自身の1句についての思いを語ります。

 
   
    ストーブで顔赤らめしのり弁当 工藤道夫
俳句の会に入会して4年が経ちますが頓挫せずにここまでやってこれました。今回は深津先生から特選を頂き一足早いお正月と喜んでいるところです。

この句は雑談する中で子供の頃の思い出からです。 ふる里が信州の上田、四方山で冬が厳しい寒さの中の生活。足袋を履き下駄、長靴のスタイルで鼻水垂らし寒風の中通学、教室にはだるまストーブがでんと。持参の冷たくなった弁当をそこに並べ温めお昼を楽しみに。海苔一枚、梅干しだけの事も有りましたが、でも美味しく。
只、生徒の中には弁当もなく廊下にそっと行ってしまう子も・・・涙! 弁当は皆ただもくもくと食べ、赤ら顔してストーブで手を炙る姿を忘れ難し。

寒さ、貧しさの一コマですが、感じ取って頂ければと思います。



 
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 <2022/12/22:文責:瀬:HP編集:後藤