平成27年度 第3回定例会 秋の俳句会報告
代表世話人 葛山由博
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平成27年度第3回定例会は、秋の吟行・句会として目黒不動周辺で行いました。目黒にはヤマハ音楽振興会の
本部があり、町の辺りは良く知っていても歴史やそれにまつわる由緒は知らない人が多く、今回改めて目黒を
探訪吟行ということになりました。 |
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朝10時半JR目黒駅みどりの窓口前に
会員・ゲスト13名、選者の先生2名、
計15名が揃いました。 |
まず目黒駅から「行人坂」の急な坂を富士山を見ながら下り、「大円寺」の前に着きました。「大円寺」は江戸
三大大火の火元といわれ、火は日本橋や神田まで延焼したと伝えられています。その大火による焼死者を供養する
石仏群、五百羅漢像が境内いっぱいに建立されています。 |
早々急坂の「行人坂」へ
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大円寺の「石仏群」 |
さらに坂を下り、雅叙園を左手に見て目黒川へ。ここに架かる「太鼓橋」は「江戸名所図絵」にも描かれています。
目黒川を渡りしばらく歩くと「五百羅漢寺」です。元禄時代に松雲元慶禅師の手で536体の木彫の仏様が作られ、
今なお305体が残っています。その仏様の表情のどれ一つ同じ物はなく、むしろ誰かに似ているような親しみを
感じます。 |
「雅叙園」を通過 「太鼓橋」から見る目黒川
「五百羅漢寺本堂」 「目黒不動尊本堂」 |
この辺りには石碑や句碑が立ち並び、甘藷先生(青木昆陽)の墓を見ながら「目黒不動」に入ります。
「目黒不動」は江戸五色不動の一つ、目黒のさんまは門前茶屋が舞台といわれています。目黒の地名はこの目黒不動
から起こり、寺域も広く境内の獨鈷の滝を浴びると病気が治るといわれてきたような伝説や仏像も多くあります。
目黒不動の目の前にある「林試の森公園」に入り、「ひょんの実」を拾って吹いてみたり、自作句をまとめたり、
秋の風や草花を楽しんだりして吟行を行いました。 |
「目黒不動尊大日如来像」 「都立 林試の森公園 入口」
「林試の森公園 せせらぎ橋」 「昼食は蕎麦店で」
「大鳥神社」は酉の市の準備中 句会会場の「下目黒住区センター」 |
吟行から句会に15名全員が参加、「下目黒住区センター集会室」で句会を行いました。
兼題は「暮の秋」で自由詠を含め4句出句です。短冊に丁寧に自分の句を書き、全員の短冊をよく混ぜて再度配布し
清記用紙に記入します。そしてそれを次々と回しながら自分の気に入った句を選び書き留めていきます。最後に4句
に絞り込み各自の選句を行います。全員が選句を終わったらそれを披講します。順に自分が選んだ句を詠みあげて
いきますが、最初は互選そして選者選と進みます。次に手元の清記用紙でその句を選んだ人にその理由を尋ね、
最後に選者選の評を聞きます。 |
早速投句から 続いて選句へ
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←秋の季語「ひょんの実」に触れる |
選者による解説 |
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選者選については自由に質問もでき、また不明な疑問点も聞くことができます。その中の選者評としては、 |
○今回の吟行は秋から冬への季節の変わり目にある。従って吟行で出来た句は両方の季節にまたがることになる。
今日は「秋深し」といっても「小春」といっても通じる。吟行句は見た目、すなわち嘱目を優先する。
○歳時記の季節の変わり目は「立秋」「立冬」等で変わる。今年の「立 冬」は11月8日で、この日から冬と
なる。やや生活実感と異なる場合もあり、吟行ではその見た目が優先される。
○ハローウィンは季語か、バレンタインはどうか、新しい言葉でも大半の人が納得しているのは季語となって
いるだろう。マイナーなものはダメだろう。中に「五郎丸」というのもあったが、これは季語か何かマイナー
なものかよく分らない。
○「ヒョンの実」が林試の森公園にあったが、「椅子の木」の実のように誤解される表示だった。
「蚊母樹(いすのき)」に「蚜虫(ありまき)」がついてできるのだが、自然の営みをもっと知ることも大事だ。
といった、講義に近い話だった。 |
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懇親会 |
最後に場を改め、食べながら飲みながらの 俳句談義になり、選者の方に自分の句の添削指導をして頂く
熱心な光景もあ った。 |
懇親会会場の「バチェラー」(貸切です) シックな雰囲気の「バチェラー」
お疲れ様でした。乾杯! 俳句談義は続きます
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